冬の寒さ、夏の暑さ、気圧の変化…これらの季節の変動は私たちの体にさまざまな影響を及ぼします。
特に膠原病の患者様や一般の方々も、冷え性や頭痛、花粉症などの症状に悩まされることが多いですよね。
そんな時、どのような漢方薬が効果的なのでしょうか?本記事では「症状別」に漢方薬の選び方やその効果について、北里大学東洋医学総合研究所の花輪壽彦名誉所長、名誉教授のアドバイスを元に詳しく解説していきます。冷え性から感染予防、免疫力アップまで、あなたの症状に合わせた漢方薬の情報をお届けします。
万人に合う訳ではありませんのでしっかりと診察することが大切です。
世田谷リウマチ膠原病クリニック新宿本院(旧:新宿南リウマチ膠原病クリニック)では保険診療で花輪先生の診察を受けることができます。
手足の末梢の冷え性
冬の時期は膠原病の患者様にとってレイノー現象が出現したり、一般の患者様でも血流が悪くなってかじかみ、しもやけなどが辛くなります。そんな時に効果のある漢方薬は・・・
「ツムラ38 当帰四逆加呉茱萸生姜湯」です。
お腹や背中などの冷え性
冬の時期は膠原病の患者様にとって冷えを強く感じたり、一般の患者様でもお腹が冷えたり、背中が寒くなったりなどが辛い症状を感じることがあります。そんな時に効果のある漢方薬は・・・
「ツムラ38+ツムラ3023 当帰四逆加呉茱萸生姜湯+ブシ末」です。
※当院ではブシ末は必ず混合して処方します。
レイノー現象
冬の時期は膠原病の患者様にとってレイノー現象が出現したり、強い冷えだったり辛い症状を感じることがあります。そんな時に効果のある漢方薬は・・・
「ツムラ53 ツムラ疎経活血湯」です。
※リウマチ膠原病の治療とも並行して服用できます。
感染予防の良い漢方
冬の時期。ちまたでは、コロナウイルス感染とインフルエンザウイルスの混合感染が心配されています。
膠原病の患者様は免疫抑制剤を内服していたり、ステロイドを内服していたりしていて感染予防は時に重要です。
ワクチンももちろん接種しますがなんとか漢方で感染予防ができないかと考えます。
そんな時に効果のある漢方薬は・・・
「ツムラ70 ツムラ香蘇散」です。
※リウマチ膠原病の治療とも並行して服用できます。
免疫を上げる良い漢方
コロナウイルス感染とインフルエンザウイルスの混合感染が心配。また、膠原病の患者様は免疫抑制剤を内服していたり、ステロイドを内服していたりしていて常に感染を予防しています。
ワクチンももちろん接種しますがなんとか自分自身の身体で免疫力が高められないかと考えます。
そんな時に効果のある漢方薬は・・・
「ツムラ48 十全大補湯」
免疫抑制剤を内服していない状態の方で特に効果が期待できます。
治療効果を上げる良い漢方
慢性の難病であるリウマチ膠原病の患者様は、免疫抑制剤を内服していたり、ステロイドを内服していたりしています。自分自身の身体で免疫力が高めながら安全に治療の効果を高めることができないかと考えます。
そんな時に効果のある漢方薬は・・・
「ツムラ97 大防風湯」
※免疫抑制剤を内服している方でリウマチ膠原病治療と並診することでも効果が期待できます。
花粉症の患者様
花粉症は、抗アレルギー薬で眠くなる、効果がない。
そんな時に効果のある漢方薬は・・・
「ツムラ19 ツムラ小青竜湯」
※ただし、小青竜湯には麻黄が含まれていてむくみ、血圧上昇、胃腸症状など副作用がでることがあります。
高齢患者様の場合には尿閉になることも。この場合には麻黄附子細辛湯が効果があることも。
ステロイドを減らしたい
膠原病でステロイドを長期に、大量に服用している患者様。なかなかステロイドが減量できない、主治医が減量してくれない患者様。
そんな時に効果のある漢方薬については・・・
「ツムラ114 柴苓湯」
柴苓湯を朝食前1袋、夕食前1袋を服用することでこれまで減量できなかったステロイドが減量できることがあります。場合によってはステロイドから卒業できることも。薬剤アレルギーによる間質性肺炎の副作用を心配する方もいるとは思いますがその出現頻度は1/2.5万人とごくわずかな確率です。
足がつる
足がつるときに芍薬甘草湯が効くというのは良く知られています。しかし、芍薬甘草湯を内服していても足がつってしまう。どうしたらいいの?という患者様もいます。
そんな時に効果のある漢方薬は・・・
「ツムラ71 四物湯」
※四物湯を朝食前1袋、夕食前1袋を服用することで足がつることがなくなります。
気圧など天候の変化による頭痛
天気の変化、とくに気圧の変化で頭痛がおきて辛いという方が多く通院されています。
そんな時に効果のある漢方薬は・・・
「ツムラ17 ツムラ五苓散」
※即効性が期待できる漢方薬で二日酔いにも効果があります。
夏バテが辛い
暑さで夏バテの方がもうちらほらと… なんとなくだるい、食欲が落ちてきた、夜しっかり眠れないなどの夏バテ気味の患者様。
そんな時に効果のある漢方薬は・・・
「ツムラ136 ツムラ清暑益気湯(せいしょえっきとう)」
だるさ、倦怠感が強い場合には「補中益気湯」や「十全大補湯」が効果があることも。ちなみに、「十全大補湯」は免疫疾患のある方との相性も抜群です。
オフィスの冷房がツラい
冷房が辛くてカーディガンが手放せない患者様。オフィスの空調や車のエアコン、電車やバスなど公共交通の冷房で体調が悪くなる患者様。そんな時に効果のある漢方薬は・・・
「ツムラ38 当帰四逆加呉茱萸生姜湯」
とくに、疝気【せんき】という下腹部が冷えて痛くなる症状には良く効くといわれています。
多汗症が辛くて気になる
ただでも暑い夏なのに手の平に沢山の汗をかいてしまいとても不快である。
そんな時に効果のある漢方薬については・・・
▼患者様が倦怠感、だるさを強く感じているなら
「ツムラ41 補中益気湯」
▼緊張やストレスで手に汗をかくなら
「ツムラ35 四逆散」
そのほかにも「玉屏風散」(ぎょくへいふうさん)なども効果がある患者様がいるとのことです。
細菌の検出されない膀胱炎(無菌性膀胱炎)
特に女性に多い症状ですが、冷えると頻尿になったり、排尿時痛があったりして膀胱炎を疑われるのだが尿検査では異常なし。
そんな時に効果のある漢方薬は・・・
「ツムラ111 ツムラ清心蓮子飲」
※抗生剤が効果なく、過活動膀胱でもない無菌性膀胱炎に効果があります。
まとめ
私たちの体に影響を及ぼす季節の変動や症状に対して、適切な漢方薬の選び方やその効果について詳しく解説してきました。症状別の漢方薬の情報は、日常の不調や症状の改善に役立つことでしょう。そして、具体的な診察やアドバイスが必要な場合、世田谷リウマチ膠原病クリニック新宿本院(旧:新宿南リウマチ膠原病クリニック)での花輪先生の診察を受けることが可能です。あなたの健康と快適な生活のために、適切なアドバイスや治療を受けることをおすすめします。