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RF(リウマトイド)因子が陽性ならリウマチなのか?
いきなりクイズです。
- RF(リウマトイド)因子が陽性なら関節リウマチと診断出来るか?
-
答えば「×」です。
関節炎患者であればRF陽性は、RAの診断根拠となりますがリウマチ患者でも陽性率は70%~80%です。リウマチ発症6ヶ月以内の場合30%~50%になるので陽性だからリウマチという診断は出来ません。RF(リウマトイド)因子が陽性でも陰性でもリウマチの方はいます。
リウマチ専門医はどうやってリウマチ診断をしているのか?
主に下記を結びつけて診断をしています。
- ガラクトース欠損igG抗体(CA-RF)
- 抗CCP抗体(ACPA)
もちろん、検査データだけでリウマチを診断する訳ではなく
- 検査データ
- 患者様の症状
- 関節所見
- 画像所見
上記も含めて判断します。ここがリウマチ専門医の腕の見せ所になります。
RF(リウマトイド)陽性について
- RFは正常な人の5%程度は陽性になることがあります。
- RF陽性でも関節痛がない場合は正常なこともありますが、甲状腺の病気、慢性肝炎、結核などでRF陽性が陽性をなっている可能性もあるので精密検査をお勧めします。
- RF陽性でドライマウスやドライアイがある場合はシェーグレン症候群という膠原病を疑い精密検査をします。
- RF陽性で関節の腫れ・皮疹・筋肉痛・喘息などがある場合は膠原病を疑い精密検査をします。
- RF陽性で関節痛がある場合は関節リウマチの可能性が非常に高いのですぐにリウマチ専門医、リウマチ内科を受診することをお勧めます。
RF陽性の場合の診断手順
RF陽性の場合の診断手順について、大まかな流れ(フローチャート)が下記の通りになります。
リウマチ因子は、関節症状ありでも加齢的な変化でも陽性になる場合もあるので注意。
flowchart TD
B("RF因子陽性")
B-->C(関節症状あり)
B-->D(関節症状なし)
C-->E(抗CCP抗体測定)
C-->F(関節の腫れ,皮疹,筋肉痛,喘息などがある)
E-->G(陽性なら関節リウマチの可能性大)
G-->H(関節リウマチを疑い精密検査)
E-->I(陰性なら膠原病<br>OAも含む精密検査)
F-->J(抗核抗体,抗ARS抗体,ANCAなど精密検査を実施)
J-->K(異常値があれば膠原病を精密検査)
D-->L(ドライマウスやドライアイがある)
D-->M(念のため採血実施して炎症確認)
L-->N(抗SSA抗体など採血検査を実施)
N-->O(異常ならシェーグレン症候群)
M-->Q(炎症反応異常あれば精密検査に)
M-->R(炎症反応異常なければ経過観察)
Q-->S(結核,肝炎など精密検査する)
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RF陽性の場合の鑑別疾患
下記だけではないですが、特に大事なRF陽性の場合の鑑別疾患です。
- シェーグレン症候群
- SLE
- 筋炎
- 強皮症
- 結節性多発動脈炎など血管炎
- 慢性肝炎 / 結核
- 加齢
上記のような病名を言われても、何について心配すればいいのか?来年の健康診断まで何を心配していいのか?難しく、わからないですよね。なので下記をご参照ください。
RF陽性の場合のチェックリスト
- 関節の痛み・腫れ・こわばりがある
- ドライマウス・ドライアイがある
- 顔や体に赤い皮疹がある
- 筋肉痛、筋力低下がある
- 咳がでるあるいは喘息がある
- 喉、首が腫れている
RF陽性でも症状がない方は、半年・1年をかけて上記症状や違和感が出た場合、リウマチ専門医のいるクリニックに受診することを忘れないようにしてください。