イベント名:「世田谷リウマチ専門医に聞け!あなたの疑問、私たちが答えます」
リウマチに関するあらゆる疑問や悩み、日常生活での困りごと、治療方法に関する質問など、どんなことでも結構です。この機会に、私たちのリウマチ専門医に直接ご質問ください。
✨ こんな方におすすめです
- リウマチについてもっと知りたい方
- 日常生活での痛みや不安を感じている方
- リウマチの治療方法について興味がある方
いただいたご質問の中で、一部抜粋してご紹介させていただきます。
世田谷リウマチ専門医への質問と回答
- 22歳で関節リウマチと診断されてからもうすぐ2年になるころです。
治療は将来の妊娠、出産を考えてシムジア200mgを2週間ごとで投与しているが最近、シムジア投与前に関節痛を感じています。
この状態で関節リウマチが進行してしなわないですか?
シムジアが慢性化(二次無効)してしまわないか不安になっています。
今後の治療の変更についてアドバイスをお願いいたします。 -
リウマチ専門医:持丸瑛梨 医師の回答
(医療法人社団東信会 世田谷リウマチ膠原病クリニック)ご相談くださりありがとうございます。
シムジアの効果がなくなる頃に関節痛がみられているのですね。
まず、関節リウマチが進行するのは、関節炎が長く続いた結果に変形するため、数週間程度の場合はご心配に及びません。
シムジア投与前の関節痛が、実際に関節炎の再燃かどうかを、主治医の先生に診てもらうことをお勧め致します。
シムジア投与にて関節痛が治まるようでしたら、飲み薬の追加などで対応可能かもしれません。
もちろん二次無効の可能性もございますため、妊娠に影響しない他のお薬に変更することや、もしまだ直近で妊娠の予定ないようでしたらもう少し選択肢が広がりますので、一番合うお薬でまずは寛解になることが大事かと思います。
リウマチ専門医:吉田智彦 医師の回答
(医療法人社団東信会 世田谷リウマチ膠原病クリニック総括院長)主治医の先生は将来の妊娠・出産の可能性を考えてリウマトレックスを処方せずにシムジアとしていると理解しました。
まずは、シムジアの効果減弱している可能性をまずしっかりと採血検査、関節エコー検査、関節MRI検査などで評価する必要があります。
その結果、効果減弱がしている可能性があれば治療強化が必要になります。
もし、妊娠まで時間的余裕があれば基本に立ち返りリウマトレックスを開始する方法もあります。リウマトレックスとシムジア治療でしっかりとした寛解を導入したのちに、
妊娠を希望する場合にはリウマトレックスの服用を中止して1回生理がくれば赤ちゃんに悪影響なく妊娠することが可能です。
直近で、妊娠する予定がなければもっとも有効な治療変更だと思われます。
現在も妊娠希望がある場合には、シムジアに加えてプログラフやアザルフィジンENなどの内服薬を追加することで効果はゆっくりですが関節症状が改善する可能性があります。
プログラフやアザルフィジンENは妊娠時でも服用を継続することは可能です。
今後も妊娠希望がありかつ即効性と有効性を期待するときは、シムジアをエンブレルなどに変更する方法も検討されます。生物学的製剤を変更することで治療効果得られる可能性があります。
- 20代前半の息子が若年性特発性関節炎と診断され、治療を受けています。小さい頃から、朝起きると足首や手首が若干腫れていることがありましたが、夕方になると治っていました。小児科で検査してもらっても異常は見つからず、経過観察となっていました。
社会人になってからは尿酸値が高くなり、病院に相談しながら運動と水分補給を心がけていました。一応医大でも検査を受けましたが、遺伝的な要因があるとのことでした。この頃から血液検査で炎症反応が2前後となり、検査を受けたところ、リウマチの反応はなく、父方の祖母がリウマチを持っていることもあり、指の関節が炎症を起こしていると診断されました。その結果、若年性特発性関節炎との診断が下り、現在は医大でリウマトレックスとアクテムラの点滴治療を受けています。治療は令和4年7月に開始し、アクテムラは約1年使用しています。
治療を始める前は指があまり腫れなかったのですが、治療開始後に腫れるようになり、不安を感じています。アクテムラの使用は昨年3月から始まり、効果があるような、ないような感じです。しかし、昨年9月から尿酸値を下げる薬も併用し始めたところ、指の腫れもかなり改善され、違和感程度で1日経たないうちに治るようになりました。
いろいろと疑問が多く、関節リウマチなのかどうかも分からず、今後の治療や体への影響について不安です。 -
リウマチ専門医:吉田智彦 医師の回答
(医療法人社団東信会 世田谷リウマチ膠原病クリニック総括院長)正確にお答えするため、質問①~⑥を当院から追加で質問させていただきました。
- 質問①:若年性特発性関節炎は16歳以下で発症することを定義していますが、何歳のときに発症されましたか?(成人していると病名は関節リウマチに変わります)
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20歳4ヶ月頃個人クリニックで検査をして頂き、医大で詳しい検査をとの事で翌月、若年性特発性関節炎では無いかと言われました。
- 質問②:尿酸値が高くなったのは何歳からでしょうか?
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尿酸値は18歳の就職してからの健康診断で若干高めでかかりつけ医で診て頂いていて、7〜9の間で平均すると7.8位で、食事、運動、水分で自己コントロールする様にと言われていましたが、19歳6ヶ月の時に医大で見てもらった所、父親が通風だったのもあり遺伝性の物では無いかな?て言う感じで、発作も出て無いから、自己コントロールしながら様子見る様にと言われました。
- 質問③:リウマトレックスを服用しはじめたのは何歳からでしょうか?
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リウマトレックスを服用し始めたのは2022年夏頃からです。(現在20代前半)
診察を受けるきっかけが、会社の産業医と話した時に、小さい頃からたまに、足首、手首が若干腫れる事があり(こちらもかかりつけの小児科で何回か血液検査等したのですが、異常ない)尿酸値が高い話しから、18歳で斜視の手術した時、何回か医大で血液検査していた中のCRPが、2前後あったのと父方の家族にリウマチの方がいた為検査する事になりました。
- 質問④:採血検査でRF 因子や抗CCP抗体は測定していますか?測定していたら結果をお教えください。
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採血検査のRF定量は、3未満
CCP抗体は、0.6
ちなみに、膠原病は、40未満でした。
その他の検査でCT検査で炎症反応を見た所指の関節が炎症をしているとの事で、リウマチの反応は無いが、若年性特発性関節炎では無いかと言われました。 - 質問⑤:ご質問は関節リウマチかどうかということでしょうか?
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血液検査の結果はリウマチの反応は無いと言われたのですが、関節リウマチなのでしょうか?
リウマトレックスを始めてから指が腫れる様になり、
令和5年の3月からアクテムラの点滴をしてます。
多少良くなったのですが、
令和5年の9月から尿酸値を下げる薬も飲み始まって尿酸値は5前後に下がりました。ただ、その後から指の腫れが格段に減りました。
治療を開始する前は指が腫れる事はあまりありませんでした。
関節リウマチでしょうか?と治療は合っているのでしょうか? - 質問⑥:体に対しての不安は薬剤の副作用のことでしょうか?
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不安は、薬剤の副作用と、治療が高額なのでこのまま続けるのが不安、また若いのに関節リウマチと診断されるのに、上記の内容で不安です。
質問④、⑤への回答
RF因子、抗CCP抗体が正常でも関節リウマチと診断される患者様はリウマチ全体の25%くらいいるのでそれ自体は不思議ではありません。
関節リウマチと尿酸値コントロールする治療は並行して行います。
関節リウマチにアクテムラを投与してCRPは下がっていて、関節痛がなくなり、関節の腫れがなくなれば効果があると判断します。
関節症状が完全に消えることが目標ですが、患者様によっては残存してしまう方もいます。
その場合にはアクテムラを他剤へ変更する必要があります。
質問⑥への回答
残念ながら関節リウマチは慢性疾患のため生涯治療が必要になります。
副作用は心配になりますが、副作用がなく、効果がある治療を選択することがリウマチ診療では大切です。
多くの薬剤は高額ですが、骨破壊とか関節変形を起こさないように一定期間は治療を強化することで将来的に治療を弱くすることが可能になります。
- 関節リウマチで治療を受けています。
副作用やアレルギーで使えるお薬が限られてしまっている状態です。今はシンポニー100mgとステロイド内服中です。
MTXを併用すると良いのですが、副作用が酷く続けられませんでした。メトジェクトも試したのですが酷い口内炎で中止になりました。他も試しましたが、プラスして使える抗リウマチ薬がないとのことでステロイド内服に頼ざるを得ない状態です。
メトトレキサートの少量(4〜6mg)の内服を試す方法を提案されたのですが、メトトレキサートの効果が出る量はどのくらいからなのでしょうか?2mgなどほんの少しだとどうですか?
効果があった時の用量は10~12mgの時だと感じています。 -
リウマチ専門医:金子敦史医師の回答
現在のあなたの病勢、関節リウマチの病気の状態は落ち着いていらっしゃるのでしょうか?また関節のレントゲン写真では骨関節破壊は止まっているのでしょうか?それらの点が落ち着いていて病気が進んでいなければシンポニー100mgは続けてステロイドはできる限り減量すべきです。また病勢が落ち着いていなかったり悪化しているようであればシンポニーはやめてTNF阻害薬以外の生物学的製剤をお勧めします。
さてMTXについてですがシンポニーのようなTNF阻害薬を使用する際には一緒に使った方が骨関節破壊抑制効果の点からもよいのですがMTXで副作用の懸念があるなら飲まない方がいいでしょう。まして週2mgの少ない量は効果が認められません。腎臓の機能にもよりますがシンポニーの場合週6mg以上飲まないと効果は期待できません。日本人は『薬は少ない方が大丈夫』みたいな考えはMTXについては通用せず、まずは効きません。メトジェクトもダメならまずはMTXは使うことはお勧めできません。
MTXが使えないなら、先ほど言ったTNF阻害薬以外の生物学的製剤アクテムラをお勧めします。費用対効果も高く副作用も少ないですよ。
リウマチ専門医:吉田智彦 医師の回答
(医療法人社団東信会 世田谷リウマチ膠原病クリニック総括院長)シンポニー100mgとステロイドで治療していて先生からは治療の強化が必要でメトトレキサートの追加を勧められている状況と理解しました。そして、メトジェクトで口内炎がでたとのことですが、この場合のメトジェクトは最低用量7.5mg /週と想像します。
まずステロイドを中止する必要がありますが
その治療方法として
- シンポニー100mgをメインに治療を進めていくなら、口内炎の出現に注意してメトトレキサート6mg /週以下を追加する方法があります。
残念ながらメトトレキサート2mg /週では効果は望めず、このような場合はメトトレキサートにかわりケアラム、アザルフィジン、リマチル、プログラフなどの抗リウマチ薬を追加する方法があります。
- メインのシンポニーを変更する場合にはTNF-α阻害薬以外の生物学的製剤あるいはJAK阻害薬へ変更することで効果が期待できます。
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