女性が発症することが多い関節リウマチ
出産前後には女性ホルモンが大きく変動します。そのため、女性ホルモンとリウマチにはとても深い関係があります。リウマチの好発年齢である30〜50歳代というのは、妊娠・出産、更には更年期があり女性ホルモンがジェットコースターのように変動する時期とぴったり重なります。
リウマチ患者の妊娠について
リウマチ患者の男女比をみると、女性の方が男性に比べて5倍も多く発症しており、やはり女性ホルモンが影響しているのは確かだと言えます。リウマチは妊娠にも大きく影響します。女性の体は妊娠している間に胎児を異物とみなして攻撃しないよう、一時的に免疫機能が抑えられるため、リウマチを発症している人でも妊娠中は症状が軽減することがよくあります。
しかし、出産すると今度は免疫機能が元に戻ろうとします。この時になって反動が起こって免疫の働きが必要以上に高まり、発症のスイッチが入ってしまい出産を経た後にリウマチが悪化する女性患者は少なくありません。女性は子を産む性として複雑な免疫システムを備えているために、かえってリウマチのような自己免疫疾患を起こしやすい傾向があると言えます。
出産はできるの?
リウマチの正体がはっきりわかっていなかった頃は、リウマチなったら妊娠・出産は無理と思われてきましたが、リウマチの攻略法が分かった今では妊娠・出産ができる治療法も確立できています。
女性は男性の17倍の患者数
女性に比べて少ないとはいえ、男性でもリウマチになる人は一定の割合でいます。男性の場合は発症数こそ少ないものの、70歳を超えた頃から患者数が増えてくるのが特徴です。全般的にリウマチのような自己免疫疾患は男性よりも女性に多い傾向があります。例えば自己免疫疾患の全身性エリテマトーデスの患者数は男性を1とすると女性は9の割合です。涙の量が少ないドライアイや口内の唾液の少ないドライマウスといった症状が特徴のシェーングレン症候群に至っては、女性の患者数が男性の17倍といわれています。
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