私のクリニックには「リウマチ」「膠原病」という文字が入っています。大学病院ではリウマチ膠原病内科などと診療科を標榜していましたが2006年に開業するまではクリニック名に「膠原病」と入れた日本初のクリニックです。
膠原病とリウマチとの関係について
リウマチのことが知られていないのと同様に、この「膠原病」についても一般的に知られていません。膠原病というのは実は病名ではなく、共通する性質の病気を総称する言葉です。例えば「循環器の病気」と表現してその中に病名として高血圧や心筋梗塞などを含んでいます。同様にリウマチ(関節リウマチ)は膠原病というグループの中に含まれた病気です。
膠原病とは?
膠原病とはコラーゲンのことで、膠原病は英語で“collagen disease”と表記されます。コラーゲンは皮膚、関節、筋肉、骨、血管、内臓などの組織に存在しているもので、その部分に炎症を起こすことが膠原病です。コラーゲンの中の関節に特化して自己免疫疾患が起きているものがリウマチなのです。他には悪性関節リウマチ、若年性特発生関節炎、成人スティル病、脊椎関節炎(SpA)、強直性脊椎炎(AS)、乾癬性関節炎(PsA)などの病気が含まれます。
私のクリニックを受診する人が、身内に膠原病の患者がいると話されることがありますが
その時私たちが「膠原病のうち、どの病気ですか?」
と聞くのはこのためです。
膠原病および類縁疾患
- 関節リウマチ(RA)
- 悪性関節リウマチ(MRA)
- フェルティ症候群
- 若年性特発性関節炎(JIA)
- 成人スティル病(ASD)
- 脊椎関節炎(SpA)
- 硬直性脊椎炎(AS)
- 反応性関節炎(ReA)
- 乾癬性関節炎(PsA)など
関節炎を主症状とする疾患
(関節リウマチとその関係疾患)
- 全身性エリテマトーデス(SLE)
- 全身性強皮症(SSc)
- 多発性筋炎(PM)/ 皮膚筋炎(DM)
- 混合性結合組織病(MCTD)
- シェーグレン症候群(SjS)
- 結節性多発動脈炎(PN)
- 顕微鏡的多発血管炎(MPA)
- アレルギー性肉芽腫性(WG)
- 側頭動脈炎(TA)
- 川崎病
- 大動脈炎症候群
- シェーンライン・ヘノッホ紫班病
- ベーチェット病 など
血管炎を主症状とする疾患
(血管炎症候群)
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