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リウマチ・膠原病と漢方などの東洋医学を融合した統合医療について情報発信しています。

リウマチでも快適!ストレスを減らす家事の工夫

2025 12/21
リウマチ
2025年12月21日

関節リウマチは、関節に痛みや腫れを引き起こし、日常生活の動作を難しくしてしまう病気です。特に毎日欠かせない「家事」は、体にかかる負担が大きく、無理をすると症状が悪化する原因にもなります。この記事では、関節リウマチの方が家事を少しでも楽にこなせるようにするための工夫や、ストレスを減らすためのヒントを、具体的なアドバイスとともにご紹介します。


目次

キッチンでの工夫:調理を楽にするアイデア

  • よく使う道具は取りやすい位置に置く
  • 握力を必要としない調理器具を選ぶ(電動ピーラー、軽量鍋など)
  • 調理中は座って作業する
  • 冷凍野菜やカット済み食材を活用する

調理は立ち仕事が多く、手を使う細かな作業が多い分、関節への負担が大きくなりがちです。たとえば、重たい鍋を持ち上げる動作や、包丁で硬い野菜を切ることも辛いと感じるかもしれません。そんなときは、電動調理器や軽い素材の鍋、滑り止め付きの調理ボードなどの道具を取り入れてみましょう。また、調理台に椅子を置いて、できるだけ座って作業することも疲れを減らすポイントです。


掃除・洗濯の負担を軽くするために

  • 掃除道具は長い柄のものを使う
  • コードレス掃除機を使って移動の負担を減らす
  • 洗濯はこまめに行い、量を減らす
  • 洗濯物は高さを合わせて干す(屈まずにすむよう工夫)

掃除や洗濯も、かがんだり重いものを持ち上げたりする動作が多く、リウマチの方には負担が大きい家事のひとつです。長い柄のモップやワイパーを使えば、無理に手を伸ばす必要がありません。掃除機は軽量でコードレスのものを使うことで移動が楽になります。洗濯も一度に大量に行うより、こまめに少量ずつ行うことで関節への負担を減らせます。


家事を助ける便利グッズや自助具の活用

  • 握りやすいグリップ付きの器具を使う
  • 開けにくいフタを開ける補助器具を用意する
  • 自動で水を出せる蛇口や感知式の照明なども便利

自助具(じじょぐ)とは、体の動きに不自由がある人の生活を助けるための道具です。市販されているものも多く、たとえば「缶や瓶のふた開け器」や「滑り止め付きのマット」「長い柄の靴ベラ」などがあり、これらを使うことで関節への負担をぐっと軽くできます。見た目は普通の道具と変わらないものも増えているので、抵抗なく取り入れられるはずです。


家族や周囲のサポートを得ることの大切さ

  • 無理せず「手伝って」と伝える
  • できること・できないことを家族と共有する
  • 同じ悩みを持つ人と情報交換する

リウマチによる体調の変化は日によって異なります。「昨日はできたのに、今日はできない」といったこともよくあります。そんなとき、家族や周囲の人に「どうしてできないの?」と理解されずにストレスを感じてしまうことも。大切なのは、無理せず素直に状況を伝えることです。「今日は調子が悪いので夕食の下ごしらえだけお願いできる?」など、具体的にお願いすれば、相手も動きやすくなります。


日常動作を関節に優しく変えるコツ

  • 重いものは両手で持つ
  • 肘や腕全体を使って支える
  • ドアノブは手のひらで回す

日常のちょっとした動作も、工夫次第で関節への負担を減らすことができます。たとえば重いものを片手で持ち上げるのではなく、両手で持ち上げ、腕全体で支えるようにすると、指や手首への負担が少なくなります。また、ドアノブを回すときも指先で力を入れるのではなく、手のひら全体で回すと負担が軽くなります。


ストレスをためない生活リズムの工夫

  • 毎日のルーティンを決めて無理なく動く
  • 体調が良い時間帯に家事をまとめて行う
  • 完璧を求めすぎない

「○○しなければ」という思い込みがストレスになることもあります。リウマチの方は「調子の良い日」と「悪い日」があるのが自然です。調子のいい日に少しだけ家事を進めたり、体調の波に合わせて予定をゆるく立てることが、結果的に心にも体にも優しい生活につながります。


リウマチに優しい住まいの工夫

  • 段差の少ない家にする
  • 手すりや滑り止めを設置する
  • 荷物を一度に運ばなくても済む導線にする

家のつくりも、リウマチの方にとっては負担の度合いを左右する大切な要素です。たとえばキッチンや洗面所などによく使う場所の近くに必要な道具をまとめておけば、何度も移動する必要がなくなります。また、段差を解消するスロープや、立ち上がるときにつかまれる手すりがあると、転倒防止にもつながります。


運動と休息のバランスを大切に

  • 簡単なストレッチや体操を習慣化する
  • 長時間の作業は避け、途中で休憩を入れる
  • 睡眠をしっかりとる

関節を動かさないままでいると、可動域が狭まり、余計に動きづらくなってしまいます。痛みのない範囲でストレッチを行ったり、医師や理学療法士の指導を受けながら簡単な体操をすることで、筋力や柔軟性を保つことができます。ただし、疲れすぎも禁物。頑張りすぎず、定期的に休憩を入れながら体を動かすようにしましょう。


【まとめ】ストレスを減らす工夫で、リウマチと上手に付き合う

  • 家事は無理せず、便利な道具を取り入れる
  • 周囲にサポートをお願いする勇気を持つ
  • 日常の動作や生活リズムを工夫して、関節に優しく
  • 家のつくりや動線も「快適さ」に影響する
  • 運動と休息のバランスで体調を保つ

リウマチを抱えていても、自分に合った方法で家事を続けることは十分に可能です。便利な道具や工夫、そして周囲のサポートを上手に取り入れることで、体の負担を減らし、心のゆとりを持つことができます。リウマチと向き合いながらも、快適で前向きな生活を送るために、今日からできることから始めてみましょう。

リウマチ
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この記事を書いた人

吉田智彦 医療法人社団東信会 世田谷リウマチ膠原病クリニック統括院長

【資格】
医学博士,日本内科学会総合内科専門医,日本リウマチ財団リウマチ登録医,日本リウマチ学会リウマチ専門医,日本リウマチ学会リウマチ指導医,日本リウマチ学会評議員,日本医師会認定産業医,身体障害者申請医(肢体不自由)
【専門領域】
関節リウマチ全般,リウマチ膠原病患者の妊娠希望者診察,膠原病一般 など

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