リウマチの治療を続けていると、「骨がもろくなりやすい」と医師から言われたことがある方も多いのではないでしょうか。実はリウマチの炎症やお薬の影響で、骨粗しょう症になるリスクは一般の人より高いと言われています。特に女性は、閉経後に骨の強さが急に落ちるため、転倒や骨折の危険がさらに増えてしまいます。
しかし、骨粗しょう症は「歳だから仕方ない」とあきらめずに、生活習慣の見直しや早めの対策で進行を遅らせることが可能です。この記事では、リウマチと骨粗しょう症の関係をわかりやすく解説し、今日からできる予防と対策のポイントを紹介します。
骨粗しょう症とは
- 骨がスカスカになり、もろく折れやすくなる状態
- 年齢とともに多くの人がなる可能性がある
- 女性は閉経後に急に増える傾向がある
骨粗しょう症とは、簡単に言えば「骨が弱くなる病気」です。骨の中のカルシウムなどの成分が減っていき、骨の強度が落ちるため、ちょっとした転倒やくしゃみなどでも骨折しやすくなってしまいます。
日本では推定1,000万人以上が骨粗しょう症と言われており、特に女性の約半数が50代以降で発症するとされています。自分はまだ大丈夫と思わず、早めの対策が大切ですね。
リウマチ患者に骨粗しょう症が多い理由
- リウマチ自体の炎症が骨を弱くする
- 長期のステロイド薬の影響
- 痛みで動かないことで骨が弱る
リウマチにかかっている人は、骨粗しょう症になりやすいと言われています。理由の一つは、リウマチの炎症が骨を溶かす働きを強めてしまうことです。
また、リウマチの痛みを抑えるために使われるステロイド薬は、長く使うと骨を弱くしてしまう副作用があります。さらに、痛みのために体を動かさない時間が増えると、骨を丈夫に保つ刺激が減ってしまい、骨密度がどんどん低下してしまいます。
骨粗しょう症の症状と進行の特徴
- 初期は自覚症状がほとんどない
- 背中が丸くなる
- 身長が縮む
- 転んで簡単に骨折する
骨粗しょう症は、最初はほとんど自覚症状がありません。気づいた時には背中が丸くなったり、身長が数センチ縮んだりしていることがあります。特に多いのは背骨の骨折で、知らないうちに骨にヒビが入っていて「最近腰が痛いな」と感じて病院に行くと判明することも少なくありません。
一度骨折すると、その部分は完全には元に戻らないため、転倒を防ぐことが大切ですね。
骨粗しょう症の検査方法
- 骨密度を測る検査が基本
- 背骨や太ももの骨で測ることが多い
- 年に1回の検査が目安
骨粗しょう症を調べるには、病院で「骨密度検査」を受けます。これにより、年齢相応の骨の強さがあるかどうかが分かります。腰の骨や太ももの付け根の骨を測るのが一般的です。
特にリウマチの人は、年に1回は骨密度をチェックすることが勧められています。進行に気づかないままにせず、早めに対策を立てるために大事な検査ですね。
骨粗しょう症の治療方法
- 食事と運動を続ける
- 骨を強くする薬を使う
- ステロイド薬の量をなるべく抑える
骨粗しょう症の治療は、食事や運動などの生活習慣の改善が基本です。ただし、これだけでは足りない場合はお薬を使います。
骨を壊す働きを抑える薬、骨を作る力を助ける薬などがあります。リウマチでステロイド薬を使っている場合は、主治医と相談してなるべく最小限の量にしてもらうことが大切です。自己判断でやめるのは危険なので、必ず医師の指示に従いましょう。
骨粗しょう症を予防する日常生活のポイント
適度な運動習慣
- 毎日少しでも体を動かす
- ウォーキングやストレッチが効果的
- 痛みの少ない範囲で無理なく続ける
骨は適度な負荷がかかることで強くなります。痛みが強い時は無理をせず、調子の良い日に散歩や軽いストレッチをするだけでも違います。室内でできる体操でもOKです。
カルシウム・ビタミンDなどの栄養管理
- 牛乳・チーズ・ヨーグルトなどでカルシウムを補給
- 魚やきのこでビタミンDをとる
- 日光浴でビタミンDを増やす
骨を丈夫にするためには、カルシウムとビタミンDが特に大事です。ビタミンDは食事だけでは不足しがちなので、外に出て日光を浴びることも必要です。ただし、紫外線が強い時期は日焼け止めを使ったり、短時間で済ませるようにしましょう。
禁煙・節酒
- 喫煙は骨の老化を早める
- 飲みすぎはカルシウムの吸収を妨げる
タバコを吸う人は骨粗しょう症のリスクが高まると言われています。また、過度の飲酒もカルシウムの吸収を悪くしてしまうので、お酒はほどほどにしましょう。
薬物療法と副作用への注意
- ステロイド薬の長期使用に注意
- 定期的な検査で副作用をチェック
- 医師と相談して薬の量を調整
リウマチでは痛みを抑えるためにステロイド薬がよく使われますが、長く使うと骨が弱くなる副作用があります。定期的に骨密度を調べ、必要に応じて骨を守る薬を併用することが大切です。薬を勝手に減らしたりやめたりするとリウマチの症状が悪化するので、必ず医師と相談してください。
女性が特に注意すべき理由(閉経後の骨量低下)
- 閉経後は女性ホルモンが減り骨が弱くなる
- 50歳前後から骨密度が急低下
- 早めの検査と対策がカギ
女性は閉経後に女性ホルモンが減ると、骨を守る力が一気に落ちます。そのため、40代後半から50代にかけて急に骨密度が減っていきます。
リウマチの人はさらに骨が弱くなりやすいので、早いうちから検査を受けて、カルシウムや運動で骨を守る習慣をつけておくと安心です。
骨折を防ぐための生活環境の工夫
- 家の中の段差をなくす
- 滑りやすい場所にマットを敷く
- 夜間の転倒を防ぐために明かりをつける
骨粗しょう症で一番怖いのは、骨折して寝たきりになってしまうことです。家の中で転ばないように、段差をなくしたり、滑りやすいお風呂場や廊下には滑り止めマットを敷くと安心です。夜トイレに起きるときのために、足元に常夜灯をつけるのもおすすめです。
まとめ:リウマチと骨粗しょう症の両方に向き合うために
- 骨粗しょう症はリウマチの人にとって身近なリスク
- 定期的な検査と早めの対策が重要
- 食事、運動、生活環境の見直しで骨を守ろう
- 医師と相談しながら無理なく続けることが大切
リウマチの人にとって骨粗しょう症はとても身近な問題です。しかし、食事や運動、住まいの工夫など、できることはたくさんあります。
大切なのは、無理をせず、自分のペースで続けることです。そして、分からないことは遠慮なく主治医や看護師さんに相談しましょう。小さな習慣の積み重ねが、これからの骨の健康を守ってくれます。

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